Q.ウエスタンレッドシーダー(カナダ杉)とは?
Q.特徴を教えてください。
Q.デッキ材や外壁に使用したときの耐久性は?
Q.木は腐るといわれますが。
Q.自然の色が好きなのですが、外部でも塗装をしなくて大丈夫?
Q.ウエスタンレッドシーダーの最適な塗装方法を教えてください。
Q.浴室などの水回りの内装に使いたいのですが、注意点を教えてください。
Q.やわらかな木でキズ付きやすくありませんか?
Q.木は呼吸している―といわれますが、どんな効果がありますか?
Q.ウエスタンレッドシーダーでどんな製品が作られていますか?
Q.どこで作られていますか?
Q.ウエスタンレッドシーダー(カナダ杉)とは? back
ウエスタンレッドシーダー(カナダ杉)はカナダのブリティッシュ・コロンビア州(BC州)一帯に育成し、豊富な雨量、比較的温暖な環境条件の中で、通常高さ60m以上、直径2m以上に成長します。
8億2400万uのおよぶBC州の成熟林蓄積量のうち、およそ80%は太平洋沿岸、残りは内陸部の湿潤地帯に存在します。ウエスタンレッドシーダーは、BC州の木材蓄積の約10パーセント、同州年間木材伐採量の10%を占めています。
ウエスタンレッドシーダーは、日本ではカナダ杉の名前で紹介されています。かつて北米西海岸に住むネイティブカナディアンは、この地方特有のウエスタンレッドシーダー(学名:Thuja plicata ヒノキ科・ネズコ属)を「生命の樹」と呼び、その樹皮・根・木材を広く生活に活かしてきました。美しく耐久性がある上、あらゆるものに利用できるウエスタンレッドシーダーは、今日では世界の人々に、たいへん愛されています。
なぜ、ウエスタンレッドシーダーが、屋根材・外壁材・エクステリア部材として使用されているのか、使用できるのか・・・・・・。
その特性をここに紹介いたします。
Q.特徴を教えてください.. back
A.ウエスタンレッドシーダーは天与の材質により、カナダ産針葉樹の中でも最も長寿命の樹種のひとつです。
ウエスタンレッドシーダーからはまっすぐで美しい木目のある長尺材を入手できることがたいへん喜ばれております。
使いやすさ
木目がまっすぐで均一であるウエスタンレッドシーダーは、ノコギリ、カンナ、サンダーいずれの加工でも、美しく使いやすい木材です。釘打ちも容易で割れが起きにくく、いろいろな接着剤が利用できます。
比重
ウエスタンレッドシーダーは含水率12%で約368kg/立方メートルと、針葉樹の中では最も軽量に属します。含水率1%の変化に対して重量は約3Kg/リ立方メートル変化します。
ルーフデッキングとして使用する場合にもウエスタンレッドシーダーなら軽量なので、屋根に加わる固定荷重が軽減され、支持材の材料も少なくできます。
また運びやすく扱いやすいことも軽量ならではの利点です。
寸法安定性
木材に含まれる水分には、細胞空隙に含まれる自由水と細胞壁に吸収されている結合水とがあります。木材を乾燥すると、まず自由水が蒸散しますが収縮はおきません。さらに乾燥し続けると今度は契合水が蒸散し、木材は収縮を始めます。すなわち収縮の度合いは蒸散する結合水の量に比例しています。
他の木材と同じくウエスタンレッドシーダーにも吸湿性がありますので、環境に合わせて水分を吸収したり、発散させたりします。しかしウエスタンレッドシーダーは他の針葉樹に比べて収縮率が極めて低く、反ったり曲がったり割れたりしにくいのです。半径方向、接線方向への収縮率は下表を参照してください。
熱伝導率
木材には優れた断熱性があります。夏には建物を涼しく保ち、冬には暖房費を節約できる・・・木材の大きな長所です。木材の断熱性はその密度に左右されます。低密度材の断熱性は最も優れていますが、これは細胞の空隙が多くあるからです。乾燥材の場合、この空隙に空気が入り断熱性が高まります。
低密度で空気を多く含んでいるウエスタンレッドシーダーの断熱性は他の針葉樹やレンガ、コンクリート、鉄等と比べてはるかに優れています。たとえば含水率12%の場合、熱伝導率係数(K値)は0.11W/u℃です。
耐久性
ウエスタンレッドシーダーの最も重要な特徴は優れた耐久性です。ウエスタンレッドシーダーは針葉樹のなかでも最も耐久性があり、ほとんどのどんな環境条件のもとでも長年支障なく使用できます。
ウエスタンレッドシーダーの耐久性はthujaplicnsと呼ばれる殺菌力のある抽出成分と、thujicacidという防虫性能のある抽出成分によるものです。
音響効果
音が木材に進入すると粘性抵抗が作用し、音エネルギーの一部は木材構成要素の振動エネルギーまた熱エネルギーとして吸音されます。一般にこの吸音効果は木材の比重の小さいものほど高くなります。従ってウエスタンレッドシーダーは吸音率が高く、優れた音響効果が期待できるわけです。
また表面塗装を施すことにより、逆に反響板として使うことも可能です。コンサートホール等の内装に好まれて使用されているのはこのためです。
Q.デッキ材や外壁に使用したときの耐久性は? back
A.ウエスタンレッドシーダーはデッキ材や外壁など屋外使用の場合でも、一般には防腐処理をしないまま風雨にさらして使用しても大丈夫です。
ただし直接地面に接するところに使う場合や、腐朽しやすい環境(高温・多湿など)に長期間使用する場合には、適切な防腐処理を施すことをおすすめします。
Q.木は腐るといわれますが。 back
A.普通木材の生材は腐朽菌によって分解されやすく、カビも繁殖しやすく、っまた乾燥材も濡れれば生材と同条件になり腐りやすくなります。
木が腐るのは木材腐朽菌が木の成分を分解してしまうためです。@適度の水分(湿気)A適度の温度B空気―この三つの条件が揃った時木材腐朽菌は活動しますが、ひとつでも欠けると木が腐ることはありません。
ウエスタンレッドシーダーは最も腐りにくい樹種です。thujaplicnsという天然成分は赤身部分に強い防腐作用を与え、thujicacidは虫害を防ぐのに適当な効果があり、そのため耐久性が要求される屋根材、デッキ材、ネイティブカナディアンのトーテムポール、カヌーなどにはウエスタンレッドシーダーが使用されています。
Q.自然の色が好きなのですが、外部でも塗装をしなくて大丈夫? back
A.ウエスタンレッドシーダーは他の樹種に比べて耐久性が高いため、無塗装のまま使用しても大丈夫です。自然の風化作用を”風情”として楽しむのもよいでしょう(デッキ、フェンス、サイディング、シングル、シェイクの屋根など)
木材表面の風化の原因は主に紫外線の影響によるものです。表面が白化し、その後黒くなる場合もありますので、できれば木材保護塗料を塗装することをお勧めします。塗装により耐久性もさらに増します。
Q.ウエスタンレッドシーダーの最適な塗装方法を教えてください。 back
A.木に塗装するとき最も注意しなければならないことは「木の呼吸作用」を妨げないことです。合成樹脂系のペイントなどを使用するとヒビ、ハガレなどが起こります。また木材内部の温度が腐れの原因ともなります。
ウエスタンレッドシーダーは他の針葉樹よりヤニがなく寸法も安定しているため、多種類の塗料(ペイント、ステイン、オイル等)を使用することができます。油性・水性いずれも使用できますが、水性の場合木材からの抽出成分の滲出を防止できるものを選んでください。
外装用塗料
ウエスタンレッドシーダーの場合は土などに接する場所を除き、防腐・防虫剤の入った塗料は必要ありません。人体に安全な天然成分がベースとなった保存性を高めるための塗料を使用するのがよいでしょう。林友ではオスターマン&シャイベ社のオスモカラーワンコートオンリーをお勧めします。
内装用塗料
外装用に比べ風雨からの表面保護が要らないので多種多様の塗料を選ぶことができます。木の通気性を妨げない塗料であれば吸湿効果が得られます。
Q.浴室などの水回りの内装に使いたいのですが、注意点を教えてください。 back
A.水回りの仕上げ材として木を使用する場合は、水分・湿気をどう防ぐかがポイントとなります。塗装する場合も木の呼吸作用を妨げないような注意が必要です。浴室内に木を使用することはできるだけ避けたほうが賢明ですが、必要とする場合は施工上次の点に注意してください。
@水やカビに強い樹種を選ぶ。
A十分換気が行われるよう配慮する。
B木口部分から水がしみ込まないよう木口の目止め塗装をする。
C防カビ用の下地処理を行う。(#4000ウッドプロテクターなど)
D撥水性があり、木の呼吸を妨げない塗料を選ぶ。
ウエスタンレッドシーダーは、樹脂成分により防腐効果が高いため、設計、施工および塗装に十分な配慮を行えば、木の香りに包まれた浴室空間を作ることも可能です。
Q.やわらかな木でキズ付きやすくありませんか? back
A.ウエスタンレッドシーダーの特性のひとつに気乾比重が軽い点が挙げられますが、これはやわらかくキズ付きやすいという短所にもなります。しかし比重が軽いため寸法安定性・断熱性・吸音効果という大きな長所を生んでいるわけですから、特性を生かした使い方をお勧めします。
Q.木は呼吸している―といわれますが、どんな効果がありますか? back
A.木材は長い年月を経てもなお、空気が湿っているときは湿気を吸い、乾燥しているときは水分を放出する優れた自動エアーコントロール機能があります。日本のように四季によって湿度が変化する風土でも、いつも心地よい室内が確保できます。
Q.ウエスタンレッドシーダーでどんな製品が作られていますか? back
A.耐久性・寸法安定性の良さから−ウッドシングル・シェイク(屋根材)、ガーデンウッドとしてウッドデッキ、フェンス、パーゴラ、ガーデンファニチャーなあど、風雨にさらされる所に使われています。
木目の美しさ。多様な塗料との相性の良さから内装材として、天井・壁のパネリングに。吸音効果があることから音響材としても使用されています。
Q.どこで作られていますか? back
A.林友のウエスタンレッドシーダー加工工場は信州安曇野、常念山麓の豊かな自然の中にあり、素晴らしい環境に恵まれて高品質・高管理のもと、工場生産されています。
ウエスタンレッドシーダーという木の持つ特性を理解し、それを活かすための商品開発に取組み、自信を持って供給させていただいております。
ウエスタンレッドシーダー(カナダ杉)の巨木(カナダ バンクーバー)
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