当社扱うウエスタン・レッド・シーダー・サイディングには、ベベル、チャンネル、T&Gの三種類があります。他のサイディング材と同様、ウエスタン・レッド・シーダーの性能や耐久性は、取り付けを行う下地組みの品質と適性に左右されます。正しく取り付ければ、必ず美しい外観が得られ、耐久性も優れた物になります。

基本的な施工方法
 
図1.2はツーバイフォー壁枠組にウエスタン・レッド・シーダー・サイディングを施工する際のディテールを表しています。コンクリート造の壁面に施工する場合には、胴縁を使用してください。
胴縁及びブロッキング
 ウエスタン・レッド・シーダー・サイディングは、枠組材、胴縁あるいはブロッキングにしっかりと釘打ちしてください。下張り材のある壁なら、胴縁は1×2インチ材以上で芯芯610mm間隔を、下張り材のない壁なら、1×4インチ材以上で芯芯610mm間隔を超えないようにします。
コンクリート造壁面の場合は、2×2インチ材以上で芯芯610mm間隔を超えないようにします。いずれの場合にも、胴縁をしっかりと固定したください。

ブロッキングは、普通2×4インチ材で芯芯610mm間隔を超えないようにします。
サイディングを垂直に張る場合には、下張り材の上にのみ取り付けることができますが、その際、下張り材は木材なら14mm、合板なら12.5mm以上のものでなければなりません。
サイディングを水平に張る場合、クロスブロッキングは不要ですが、下張り材を通し、スタッドまで釘打ちしてください。コンクリート造壁面の垂直胴縁には、釘を32mm以上を打ち込みます。
釘の種類と打ち方
 ウエスタン・レッド・シーダー・サイディングを固定する際、美しく機能的な仕上がりにする為には、次のような条件にかなった釘を選ぶことが大切です。@固定金具や木材の変色を防ぐため、防蝕性の優れたもの(鉄丸釘や銅釘は、抽出成分に反応し、腐蝕しますので、おすすめできません。)
A打ち込み簡単で、しかも曲がりにくいものです。
B保持力に優れ、木材の割れや釘の飛び出し、裏抜けを起こさないものです。
Cサイディングの仕上がりに影響しない、目立たないものです。
 ウエスタン・レッド・シーダー・サイディングに適した防錆釘としては、ステンレス釘、溶融亜鉛メッキ釘、高張力アルミニウム釘の三種類があります。
溶融亜鉛メッキ釘とステンレス釘はのものが、最も一般的に使われており経済的でもあります。銅釘は、ウエスタン・レッド・シーダーの抽出成分に反応して腐蝕しますし、電気メッキ釘は錆びやすいので、使用しないほうが良いでしょう。釘頭の形状はシンカーヘッド(皿頭)、ケーシング及びフィニッシングの3種類が適しています。
(図3)いずれも一般的にサイディングに平打ちする釘です。通常、シンカーヘッド釘は、材面と面面(ツラツラ)に打ち込み、ケーシング釘は、頭部隠れるまで打ち込みます。
 保持力を高くし、割れを防ぐためには、釘先は鋭角な物ではなく、やや鈍角のダイヤモンドカットしたものがお薦めます。さらに、裏抜けを防ぎたい場合には、スクリュー釘を使うと良いでしょう。
 強く打ち込みすぎると割れの原因となりますので、釘打ちは慎重に行ってください。
 釘のサイズは、サイディングの種類と厚さに合った正しいものを選びます。長さ50mmのサイディング用釘を、芯芯610mm間隔で打ち込むのが一般的な方法です。釘は、釘を保持する下地材、あるいは枠組材に少なくとも38mm以上打ち込む必要があります。釘と同じ長さのステープルを使用することもできますが、その際にもウエスタン・レッド・シーダー・サイディングに適した防蝕性のものを使用してください。
 サイディングを断熱材の上に取り付ける場合は、釘は断熱材を通して下地に38mm以上、打ち込む必要があります。
 サイディングは、含水率の変化に応じて夫々膨張・収縮できるよう、余裕を持たせて取り付けます。それにより、内部応力を開放し、干割れを防止する事ができます。

 乾燥・未乾燥サイディングの施工方法
ウエスタン・レッド・シーダーは針葉樹のなかで、最も寸法が安定していますが、乾燥・未乾燥のいずれの場合も、周囲の湿度変化に応じて水分を吸収したり発散させたりする分、若干の寸法変化が起きます。例えば未乾燥材をサイディングに使用する場合は、周囲の湿度と含水率が釣り合うまで、わずかに収縮が起きます。
 T&G、チャンネルサイディング等は、繋ぎ目部分の収縮範囲を計算した上で製造されています。従って、正しく取り付ければ、多少の膨張や収縮を後で補正する必要は特にありません。
 保管の際には、サイディング材の種類や含水率にかかわらず、常時にシーとカバーをしておき、建築現場でも充分注意して取り扱うようにしてください。
横張りベベルサイディング
 乾燥材を使用する場合は、重ね幅が25mm以上になるように取り付けてください。サイデリグの幅が大きくなればなるほど、重ね幅も大きくする必要があります。開口部回りや立ち上がり壁の納まりは、美観上も防水対策上も重要なポイントになります。防水紙、鋼製水切等で確実な防止水対策を施しください。開口部上端とサイディング下端のラインが揃うことが、仕上がりのポイントになります。施工に先立ち開口部上端と張り始め位置(最下部サイディングの下端)を基準に重ね幅を調整し、サイディングの割り付けを実行してください。
(図8.)
縦張りチャンネルサイディング
 6インチ幅までのチャンネルサイディングには、通常、各下地材ごとに64mm釘を1本ずつ平ら打ちします。(図a)それ以上の幅の物には、54mm釘を2本ずつ平ら打ちします。(図6b)いずれの場合も、釘の位置が重ね部分に当たらないよう注意してください。